「無限ルーム The 2nd」を終えて
この場所に入る日の光を、ただ、見ていたかった。
恨めしいほど生きづらいこの世に生を受けたことを
それも善しと思えたのは、このお堂に確かに差した光を
感じる、あの時があったから。
この深い哀しみを
理解してくれる人がいること、
その自分の弱さも生きて見つめ続けてくれる友の存在が
なかったら、一歩踏み出すことはおろか、
この場に立ってすら、いられなかったと、
ふた月たった、今も思う。
この日、
青空の下を吹く強い突風が、まるけの間は止んでいたのも、
風のない弘法堂に差す日差しが、帯を揺らしたのも、
すべて、彼の存在を証明する想いのあつまり。
この場所は、あの頃と変わらない優しさで包まれている。
その辛さを早く忘れられる強さより、
あの幸せを思い出せる、陽光の柔らかさを、ずっと。
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